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【標準労務費】 調査分析スタートへ／歩掛など標準的規格決定へ
2023/11/21積算・資格news
建設メール
国土交通省は、標準的な労務費、いわゆる標準労務費の設定に向けた調査を開始する。まずは、歩掛などの標準的な規格の決定に向けデータ調査を実施、分析まで進める。2023年度補正予算案に関連費用として約1億円を盛り込んでいる。議論に当たっては中央建設業審議会の下部組織としてワーキンググループ（WG）を設置する。
標準労務費は、中建審基本問題小委員会の中間とりまとめに位置付けられたもの。t辺り、㎡辺りといった単位施工量辺りの標準的な労務費を工種ごとに示すこととし、一人辺りの労務費（設計労務単価）×人工（歩掛）で設定する。中建審の議論でも、業界団体から早く作った方が良いといった意見があり、24年度予算に要求していたが前倒しして取り組む。
工種は土木で1300種類以上あり、さらに型枠工（土木）で10規格、掘削工では61規格あるなど、それぞれ多数の規格がある。標準労務費の作成では、さまざまな規格を整理し工種ごとに「標準的な仕様・条件（=規格）」を特定するため、国交省発注の直轄工事3万件を分析する。歩掛等ごとに、規格の使用頻度、規格の相関などを調査し、整理、複数の規格をまとめた標準的な規格を決める。
これらデータ分析などをコンサルに委託する考えで、分析だけでも半年程度は必要とみている。企画競争による業者選定が視野に入る。なお、補正予算案には建設業の担い手確保に向けた賃上げの実現に3億2000万円を確保。適正な賃金が技能者まで支払われているかを簡易に確認できる仕組みの検討も含まれるため、おおむね1億円程度の補正額と見られる。
土木で1300以上とされる工種については、営繕など建築系を加えるとさらに増える。営繕などは市場単価方式を使っているため歩掛を採用していない面があり、議論が必要になる。直轄工事では家などはほとんどないといった面もある。
24年度からスタートするWGでは▽複数の規格をどのように標準的な規格にまとめるか▽標準労務費は幅を持たせるか▽歩掛の存在しない工種での算出方法の検討―などを議論し、データを分析する。その際は、標準労務費は労務費率が高い工種などから設定していくなど、基本問題小委員会での意見を踏まえた対応も考えられる。時期的には建設業法改正の施行と合わせてとなるため、25年度以降になる見込み。
